全長約35cm。身体が刃状のところから秋刀魚と表記されています。腹びれや
背びれが身体の中部より後方にあり、その後方に数個の離れた小さなひれ
(離鰭)があります。沿岸から沖合の表層に住み、産卵期は長期にわたります。
春と夏に盛期で産卵数は2万個以下。卵はやや歪んだ卵形で2mm弱。表面の
2カ所に付着糸があり、これで海面の浮遊物に絡まります。コペボーダなどの
動物性プランクトンなどを食べます。沿岸から沖合い域で操業される棒受網で
酢構成を利用し夜間集魚灯で船の近くにさんまを集めて漁獲します。
産卵場は本州の中部以南の沖合で、秋に産まれた個体は本州の沖合を北海道
東方沖まで北上します。1年後の秋の漁期には全長30cm前後まで成長し、漁獲
対象となるころ再び南下を開始し東北沖で漁獲されます。特に本州北部の沿岸を
南下するものは脂がのり美味しいです。
あわび類は、巻き貝(腹足綱)のミミガイ科に属します。殻の形は皿のようですが
れっきとした巻き貝で螺旋の巻き方が急に大きくなった姿なのです。ミミガイ科は
世界中におおよそ100種知られていますが大型で食用にされているものを一般的に
あわびといいます。日本では、くろあわび、めがいあわび、えぞあわび、
まだかあわびなどが穫れます。世界におけるあわびの分布は温帯の大型褐藻の
生えている地帯に一致、カリフォルニア沿岸には7種の大型種が分布しています。
また、オーストラリアにも漁業対象となるあわびがいて日本に輸入されています。
とこぶしもミミガイ科の一種で広い意味ではあわび類ですが、元々とこぶしという
固有名詞がありました。このためなのか、海外の小型種も「○○とこぶし」と言う
名前が付けられていますがいずれ便宜的な和名であわび・とこぶしでグレードを
付けているわけではありません。